神戸市水道局

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最新技術を用いた取り組み

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AI審査アプリ

AI審査アプリとは?

神戸市水道局では、給水装置工事の図面審査に2024年7月よりAI審査アプリを導入しています(2023年度に世界最高レベルのAI技術を有する民間企業と共同で開発)。
給水装置工事の審査は、皆様のご家庭の水道管やメーター、蛇口などが安全に設計されているかを確認するものです。

神戸市においては、年間約6,500件の給水装置工事の申請があり、その審査に多くの時間を費やしていました。
そこで、画像認識技術を活用したAIを導入することにより、業務の効率化を図ることとしました。
給水装置工事の図面の記号等が正確に記載されていれば、AIが認識し色付きの枠で囲まれます。また、この色と同じ色で一覧に表示されます。職員はAI審査アプリの結果を参考にすることで、審査時間を短縮することができます。

なにが変わるの?

このAI審査アプリの導入により、より正確に、より迅速に審査を行うことで、水道局では業務が効率化され、申請者にとっては審査期間が短縮されます。
なお、本取組は、全国の1300以上ある水道事業体の中から、1事業体が選ばれる日本水道協会会長表彰水道イノベーション賞の大賞を受賞しています。給水装置工事に限らず、他の審査業務においてもAI活用のきっかけとなり得る事業であると考えています。

配水減圧弁遠隔監視システム

減圧弁ってなに?

水道水を各ご家庭まで適切な水圧でお届けするためには、その土地より30mほど高い位置にある配水池という施設から水道水を流す必要がありますが、配水池との標高差が大きな場所などに配る場合は、水道管に減圧弁という装置を設置し、高い水圧を適正な水圧に調整します。

配水減圧弁遠隔監視システムってどんなもの?

配水減圧弁遠隔監視システムは、この減圧弁にかかる水圧をインターネットを用いてリアルタイムで確認できるようにしたものです。
減圧弁が設置されている場所の近くに水圧監視装置を設置し、無線通信で水圧データを集めます。この水圧データはインターネット経由でいつでも確認することができ、もし水圧異常が発生した際は、管理をしている事務所の警報機が自動で鳴りすぐに通知されます。
このシステムを利用し、故障した減圧弁の過去の水圧データをAIで分析したところ、水故障の4か月前から1か月前にかけて徐々に水圧が異常となってきていたことが分かりました。

記録計室(設置写真)

なにが変わるの?

これまで、1~2週間毎に現地に設置している水圧計で水圧測定を行っていましたが、このシステムでは自動でデータが送信されるため、業務の省力化が図れます。
また、減圧弁の故障による水圧異常が発生した際は、市民からの通報によって状況判断を行っていましたが、自動で水圧異常が通知されることで、いち早く現場に駆けつけることができ、事故が大規模になる前に対応することができるようになります。
さらに、先ほどのAIによる分析結果を用いて、減圧弁故障の予兆を検知することで、今後の重大な事故防止につなげることが可能となります。

衛星画像とAIを活用した漏水調査

漏水調査ってどうしてるの?

神戸市内には約4,800kmもの水道管がありますが、老朽化等による事故を未然に防ぐために、市内全域の配水管の漏水調査を複数年かけて定期的に実施しています。
この漏水調査は、調査員が音聴棒や漏水探知機を用いて水道管の水の音を聞くことで、漏れている箇所を探し出すもので地道な作業であり、多くの人手と時間を要します。

衛星画像とAIを活用した漏水調査ってどんなもの?

この漏水調査において、人工衛星から得られるデータをAIで解析し、水道管の地下漏水を検知する新しい技術です。
人工衛星から放射した電磁波が地中に漏れている水道水に当たると、特有の反射を起こします。この電磁波の反射の特性を独自の計算やAIによる解析を行うことで、漏水の可能性がある区域を半径100mの範囲で絞り込むことができます。
2024年度から試行的に神戸市内の一部、管路延長約75kmを対象に衛星画像とAIを活用した漏水調査を開始しています。

なにが変わるの?

現在の調査員による市内全域の漏水調査には複数年を要していますが、この技術は、天候や昼夜に左右されず、一度に広範囲を調査できるため、漏水箇所の早期発見が可能になります。また、漏水の可能性がある箇所をある程度絞り込むことで、作業効率の向上にもつながります。
さらに、今回導入した調査方法によって、高低差の多い神戸市において地形的に人が調査しづらい場所の漏水を検知できれば、これまでにない新しい成果を効率的かつ低コストで実現することが期待できます。