水道水は家までどうやって届く?
さまざまな施設を通って届く水道水
水道水は貯水池から浄水場、ポンプ場、配水池、配水管などを経てご家庭まで届けられます。その流れと設備をご紹介します。
貯水池
千苅貯水池(ダム)
貯水池は川の水や雨水を貯め、水源として利用するための人工の池で、神戸市には3ヵ所のダムを築造しています。
水源に恵まれない神戸市では、1日に必要な水量の4分の3を琵琶湖・淀川を水源とする阪神水道企業団から購入していますが、残りの4分の1は主に千苅、布引の貯⽔池で賄っています。(烏原貯⽔池は、渇⽔など非常時の予備⽔源としています)
神戸市内の貯水池
浄水場
貯水池に貯められた水(原水)は、そのまま飲むことはできません。原水中に含まれたにごりなどを取り除き、消毒して、飲み水にするのが浄水場です。
神戸市水道局は現在、上ヶ原浄水場、奥平野浄水場、千苅浄水場、本山浄水場の4か所の浄水場を保有しています。
また阪神水道企業団から購入する水は猪名川浄水場(尼崎市)と尼崎浄水場(尼崎市)で、兵庫県営水道から購入する水は、神出浄水場(神戸市西区)、三田浄水場(三田市)、多田浄水場(川西市)で浄水処理されています。
神戸市内の浄水場
配水池
浄水処理された水は配水池に届けられ溜められます。浄水場から直接ご家庭に届けるのではなく、一度配水池に溜めておくことで、時間帯による水の使用量の変化にかかわらず、いつでも適切な圧力で水をお届けできます。
また、災害時などに送水が止まったときでも、配水池に水を溜めているので、すぐにご家庭に届ける水が止まってしまうことはありません。
配水池は地上に設置されている所もあれば、地面の下に埋まっている地下式もあります。
ちなみに阪急電鉄御影駅~岡本駅間で見える写真の施設は「東灘低層配水池」といいます。
配水池の上部の活用
神戸市内に120箇所以上ある配水池のなかには、上部空間を利用して太陽光発電パネルを設置したり、水道管の水圧を活用したマイクロ水力発電を導入している所もあります。一方で、条件によっては、構造物の補強が必要だったり、危険物が投棄されないための警備強化も必要になります。そのため、配水池の上部を活用できる所は限られており、一見地上で何かできそうに見える地下の配水池でも、更地のままにしている場合があります。水道局ではさまざまな条件を考慮し、上部活用の検討をしています。
ポンプ場
配水池が高いところにある場合、ポンプを使用して水を送ります。神戸は地形的に山が多く、坂の上の住宅地も多いことから、数多くのポンプ場があります。
テレメータ・テレコントロール
神戸市では市内全域の配水池などの水量データをリアルタイムに確認・集中管理しています。これをテレメータ・テレコントロールシステムといい、市内にはりめぐらされたネットワークを使って、無駄なく適切に配水できるよう、24時間操作しています。
水道管
各施設からご家庭まで水を結ぶ道が水道管です。どの場所をつないでいるかによって、大きく3つの種類があります。
導水管(どうすいかん)
貯水池など、水源から浄水場までの管路を導水管といいます。
送水管(そうすいかん)
浄水場から配水池(配水場)までの管路を送水管といいます。
配水管(はいすいかん)
配水池に溜められた水をご家庭に届けるのが配水管です。主に道路に埋設され、神戸市内の総延長は約4,897km(2024年4月1日現在)に及びます。その直径は最小5cmから最大100cmまでと幅広く、送る水の量などに応じていろいろな太さの管が使用されています。工事や漏水などによる断水の影響を最小限に抑えるため、網目状に布設されているのが特徴です。
給水管(きゅうすいかん)
配水管から分岐して各ご家庭まで引き込まれている管を給水管といい、ご利用者様の財産となります。