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文明のそばには、必ず水があった

 

人間は国や街、村など、ひとつのところに集まって暮らしています。今では当たり前のことですが、なぜ家族以外の人たちと集まって暮らし始めたのか、正確にはわかっておらず、いくつかの説があります。例えば、乾燥や寒冷化など住む環境が厳しくなり、暮らしやすい場所に人が集中するようになったという説があります。

集まって暮らし始めると、その分多くの飲み水や食料が必要になります。農業で食料を作るためにも、水は不可欠です。そのため、水を利用しやすい大きな川の近くに人々が集まるようになりました。そして水をうまく使うために、水を陸地に引きこむための工事をしたり、水を使うルール作りなどが行われるようになりました。

また、人々がたくさん集まり物が売買されるようになると、たくさんの荷物を運ぶ必要があります。川には船を浮かべることができるので、経済の発展にも水は不可欠だったのです。

こうして暮らしが便利になったり、ルールが生まれたりすることで、文明が発達していきました。世界で最初に文明が生まれたのはチグリス・ユーフラテス川流域のメソポタミア文明で、次にナイル川流域のエジプト文明、インダス川流域のインダス文明、黄河・長江流域の中国文明が生まれました。これらは古代四大文明と呼ばれていて、豊富な水があったからこそ発展することができたのです。