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水道としんさい

MEASURES AGAINST EARTHQUAKE

しんさいで神戸の水道は
どうなったの?

1995年(平成7年)1月17日の午前5時46分、突然の激震が神戸の街をおそいました。阪神・淡路大震災です。縦横の激しい揺れで水道管がこわれて水が出なくなるなど、神戸の水道は大きな被害を受けました。

多くの人が飲み水にも困ることになりました。水道局では、全国の都市からの応援をうけ、給水車で水道水を運んで配ったり、水道を元にもどす復旧工事を休みなく続けました。それでも、神戸市全体ですべての復旧作業が終わったのは4月17日。地震から3カ月もたった後のことでした。

震災の教訓から水道局では、また災害や事故が起きた時に「こわれない」「止まらない」「強い」水道をつくろうと考えました。同じ年の7月にはさっそく新しい計画を立て、その計画にそって大容量貯水槽や大容量送水管などの地震に強い設備をつくっていきました。
2005年(平成17年)には布引ダムの耐震補強工事が、2016年(平成28年)には大容量送水管の工事が完了しました。今も、災害時でも安心して水が使えるように様々な取り組みを進めています。

こわれない、止まらない
強い水道をつくる

いざという時の飲み水を
ためられるように

水道局では、地震などの災害が起きた場合でも飲み水が準備できるよう地震が起きたときに配水池の栓を閉めたり、大容量貯水槽を使う「緊急貯留システム」を整備し、いざというときに水がなくなってしまうことがないようにしています。
配水池の栓を閉める方法では、地震が起きたときに配水池に自動的に指令を出し、緊急遮断弁という栓を閉め、飲み水をためておくことができます。
大容量貯水槽は、地面の下に埋めている大きな貯水槽のことで、ふだんは水が流れていますが緊急遮断弁を閉めることで、水道管と切りはなし、飲み水をためておくことができます。

緊急貯留システム(配水池)

緊急貯留システム(配水池)

緊急貯留システム(大容量貯水槽)

水道管もこわれにくいものに

阪神淡路大震災では、水道管がこわれて家に水が届かないなどの大きな被害を受けました。次に地震が起きたときのために、古い水道管を地震に強いものに取り替える耐震化工事を進めています。耐震化された水道管が網の目のようにつながっているので、どこかの水道管がこわれても他の水道管を経由して早く水を届けられるように工夫しています。

水道管どうしのつなぎ目のしくみ

非耐震管 耐震管

水道が止まったとき、
水が確保できる場所

もし水道が止まってしまった場合でも、災害時給水拠点に行けば飲み水を確保できます。主に学校などの避難所となる場所に、水を出すための「災害時臨時給水栓」を作っています。給水栓の組み立て方や使い方は、地域の給水訓練で練習できるので、参加してみてくださいね。

  • 貯水機能のある災害時給水拠点

    緊急貯留システムによって飲み水をたくわえている配水池や貯水槽には、「貯水機能のある災害時給水拠点」として、市内に62か所設置されています。このシンボルマークが目印です。

    貯水機能のある災害時給水拠点シンボルマーク
  • いつでもじゃぐち

    学校までの水道管の耐震化が完成したシンボルとして小学校などにあり、ふだんは水飲み場として使いますが、災害が起きたときは専用のじゃ口として使います。

    いつでもじゃぐち
  • ふっQすいせん

    災害時でも使える給水口。小学校などにあり、災害が起きたときに専用の器材とじゃ口をつなぐことで水を出すことができます。

    ふっQすいせん

水をためられるトンネル
「大容量送水管」

阪神・淡路大震災の前は、淀川の水で作った水道水を、六甲山の中を通る2本の送水トンネルで東灘区から西区まで送っていました。しかし震災の経験から、地震に強い新しい送水トンネルを市街地の地下に作ることを決定しました。これが大容量送水管です。
直径2.4mという大きなトンネルで、水を送るだけではなくためることもできます。もし災害が起きた場合、神戸市民全員が1日3リットルの水を12日間使えるほどの水をトンネル内に確保できます。
工事は1998年(平成10年)に始まり、20年の歳月を経て、2016年(平成28年)に完成しました。

工事中のトンネルウォークの様子